

サーキュラーエコノミーを起点に
持続可能で「たのしい」未来を考える
共創型プログラム
2024年5月に環境施策の指針となる
「白馬村ゼロカーボンロードマップ」を発表した
長野県白馬村。
白馬村の自然風土を残し続けていくために、
村全体で取組みが進んでいます。
vol.6では、サーキュラーエコノミーだけではなく、
ネイチャーポジティブにも焦点を当て、
自然や生物と共生する持続的な事業のあり方を考えました。

Report
GREEN WORK HAKUBAでの3日間
1日目のカンファレンスは、岩岳スカイアーク会場にて開催。KEYNOTE講演ではスウェーデン マルメ市の事例からサステナブルな地域のあり方を学び、SESSIONでは自然と共生するビジネスを展開している事業者の方々にも登壇いただきました。WELCOME PARTYでは、エシカル・スピリッツ、オールバーズ、Cultivera/ポモナファームの3者から参加者に向けてプレゼントが。1日目の夜をさらに盛り上げる嬉しいサプライズとなりました。

2日目は樅の木ホテルThe Pubにてスタート。「建築」「エネルギー」「農業」「蒸留」など、様々な視点で実践者から事業のヒントをインプットしました。その他、白馬村内のフィールドワークや参加者全員でのディスカッションを実施。この出会いを生かして持続可能な未来のためにどんなことができるのか、「Re:Public」で行われたアフターパーティーまで熱い議論が交わされました。
FIELD WORK
白馬村のポテンシャル発見ツアー
白馬村内のフィールドワークでは、白馬村の森林価値を考える木こりの体験、日本名水百選にも選ばれ白馬村の希少な植物・生物を観察できる「姫川源流」や、地元宿泊施設「NOMAD白馬」の薪ボイラー、より多様な自然環境へ適応する建築「SANU 白馬」を視察。白馬村の自然に触れ、村民から生の声を聞くことで、地域に根ざした生物多様性やネイチャーポジティブの重要性をより深く理解することができました。

最終日は、有志たちが集い、隣町にある青木湖にて北アルプスの雄大な自然を体感するアクティビティを堪能しました。青木湖は、湖と里山の紅葉、白馬三山が贅沢に楽しめる人気スポット。この日も、紅葉の中をカヌーとマウンテンバイクで楽しみました。あいにくの曇り空でのスタートでしたが、後半には晴れ間が差し、初雪の白色、紅葉の赤色、針葉樹の緑色の三色からなる「白馬三段紅葉」を見ることができました。

Special Speakers

Keynote
ペオ・エクベリ 氏
株式会社 ワンプラネット・カフェ 取締役
サステナビリティプロデューサー
スウェーデン出身。環境NGO団体リーダー、ジャーナリストを経て、現職。長年、スウェーデンのサステナビリティ視察プログラムを企画・運営。数多くの日本企業、自治体、大学、市民団体などのグループのアテンド経験を持つ。その他、エコハウジングの基準策定・ブランディング支援にも従事。日本全国で400回以上の講演、100回以上のコラム執筆。テレビ(NHKワールド他)やラジオ(東京FM、J-Wave)の環境番組でのキャスター、コメンテーターとしての 実績がある。2006年~2012年、武蔵野大学非常勤講師(環境政策論)。2008年、イギリスBBCのWEBページHeroで、アル・ゴア元アメリカ副大統領やアルピニスト野口健氏と並び環境リーダーの一人として紹介される。
Speakers
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安齋 好太郎 氏
株式会社ADX
CEO, Wood Creator安齋 好太郎氏
株式会社ADX CEO Wood Creator
1977年福島県二本松市にて、祖父の代から続く安斎建設工業の3代目として生まれる。 自然と共生するサスティナブルな建築を目指し、2006年にADXを創業。林業や森づくりといった材木の循環まで視野に含める建築設計を専門とし、木の新しい可能性を追求したダイナミックな建築を手がけるほか、Wood Creatorとして国内外の大学や企業で講演活動を行う。登山がライフワーク。
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藤木 庄五郎 氏
株式会社バイオーム
代表取締役CEO藤木 庄五郎氏
株式会社バイオーム 代表取締役CEO
京都大学大学院博士号(農学)取得。ボルネオ島の熱帯ジャングルにて2年以上キャンプ生活をする中で、環境保全を事業化することを決意。2017年に株式会社バイオームを設立、代表取締役に就任。生物多様性の保全が社会の利益につながる仕組みづくりを目指し、生物の情報をビッグデータ化する事業に取り組む。環境省「2030生物多様性枠組実現日本会議行動変容WG」専門委員。ISO/TC331(生物多様性)国内審議委員会委員。日本自然保護協会評議員。
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山﨑 篤史 氏
株式会社竹中工務店 大阪本店
設計部 チーフアーキテクト山﨑 篤史氏
株式会社竹中工務店 大阪本店 設計部
チーフアーキテクト1982年生まれ。2007年竹中工務店入社。超高層オフィスビルや大規模病院などの設計に携わる。幼い頃から山でキャンプをしたり、海に潜るのが好きだったが、自分のライフワークである建築が短時間で廃棄物になり、山や海を汚している姿に衝撃を受ける。現在は、建築の寿命に着目し、分解して森に還る建築 “Seeds Paper Pavilion”を大阪・関西万博で「森になる建築」として実装中の他、解体予定だった建物を減築+増築により再生させた「大阪避雷針工業神戸営業所」など、サスティナブルな建築の実現を目指す。
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梅田 優祐 氏
株式会社モノクローム
CEO梅田 優祐氏
株式会社モノクローム CEO
CDI、UBS証券会社を経て2008年、SPEEDAやNewsPicksを展開するユーザベースを創業しCEOに就任。2016年東証マザースに上場。2020年CEOを退任し、自宅を建設したモノクロームを設立。自宅を建設する際に、理想の太陽光パネルと、つくられた自然エネルギーを効果的に制御するためのソフトウェア(HEMS)が存在しない問題に直面したことをきっかけにモノクロームを設立。
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榑林 大和 氏
株式会社digglue
コンサルタント榑林大和氏
株式会社digglue コンサルタント
早稲田大学教育学部卒業。
株式会社digglueにて製造業や自治体における排出物の資源循環スキームの確立、静脈側のトレーサビリティの仕様検討などに従事。とりわけ神戸市における乳酸菌飲料容器の水平リサイクル実現に注力。2024年、アップサイクル×トレーサビリティをコンセプトにしたアパレルブランド「GIGAPUPUPU」を設立。 -
後藤 幸江 氏
株式会社Cultivera CMO /
Mirus合同会社 代表後藤 幸江氏
株式会社Cultivera CMO/ Mirus合同会社 代表
植物が持つ力の可能性と農業がもたらす社会課題の解決を目指し2023年Cultiveraに参画。“ 水”ではなく“湿度”で育てる独自特許技術 Moisculture(モイスカルチャー)をベースに大企業の保有する既存技術と掛け合わせた新たな農業システムの拡張に取り組む。新卒から約20年間、三菱重工で培った課題解決力や新事業立ち上げ、コミュニティ醸成のノウハウを活かしたゼロイチからの伴走を得意とする。また自身では、長年想いを重ねてきた植物の香りの価値化を目指しMirus合同会社を2024年6月に起業。事業構想大学院大学卒、事業構想修士(MPD)。
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小野 力 氏
エシカル・スピリッツ株式会社
代表取締役小野 力氏
エシカル・スピリッツ株式会社
代表取締役CEO1994年生まれ、東京都出身。ファーストキャリアで、デロイトトーマツコンサルティングにてコンサルティング業務を経て、ロンドンにてFuzed InnovationsをCEOとして共同創業。インフルエンサーや企業向けにコンテンツマーケティングにおけるソリューションを開発。その後、dotD, incにてManaging Directorとして新規事業立ち上げを経て、エシカル・スピリッツ株式会社を共同創業。取締役COOとしてオペレーションを管轄後、2024年1月より代表取締役CEOに就任。University College London 心理学部卒業。
SPECIAL SESSION
ビジョンを実装に。白馬村のこれからの価値。
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佐宗 邦威 氏
株式会社BIOTOPE代表/ チーフ・ストラテジックデザイナー
多摩美術大学 特任准教授佐宗 邦威氏
株式会社BIOTOPE 代表/
チーフ・ストラテジック・デザイナー東京大学法学部卒業、イリノイ工科大学デザイン研究科(Master of Design Methods)修士課程修了。P&Gマーケティング部でレノア等のヒット商品のマーケティングを手がけたのち、ジレットのブランドマネージャーを務める。その後ソニーに入社。同クリエイティブセンターにて全社の新規事業創出プログラム(Sony Seed Acceleration Program)の立上げ等に携わる。退社後、戦略デザインファーム「BIOTOPE」を創業。多くの企業・自治体・組織のイノベーション及びブランディング支援と、企業理念の策定・実装についても実績多数。
著書 『理念経営2.0-会社の「理想と戦略」をつなぐ7つのステップ』 『直感と論理をつなぐ思考法』 『ひとりの妄想で未来は変わる VISION DRIVEN INNOVATION』 他多数。 -
白濱 雄太 氏
白馬村 GX統括監
白濱 雄太氏
白馬村 GX統括監
戦略デザインファームにて、幅広い業界に対する理念策定・浸透プロジェクト、ビジョンデザイン、新規事業づくりに携わったのち、個人事業主として独立。 独立後は、民間企業、大学、自治体等幅広いセクターのプロジェクトに参画し、イノベーション創出の伴走支援を行う。
現在は、外部環境専門人材として白馬村GX統括監に就任し、環境施策におけるロードマップ策定及び推進に従事。 -
福島 洋次郎 氏
一般社団法人
白馬村観光局事務局長福島 洋次郎氏
一般社団法人白馬村観光局 事務局長
20代でカナダに留学し、ブリティッシュコロンビア州立ランゲーラカレッジ人文科学部卒業。帰国後、地元白馬のフラッグシップホテルである白馬東急ホテルに入社。フロントスタッフ等を経た後に、海外営業担当として年間30日以上を現地海外営業に費やし、自ホテルだけでなく白馬全体のインバウンド誘客に勤しんだ。2016年6月に白馬東急ホテルを退社し、一般社団法人白馬村観光局事務局長に就任。
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榎本 裕次 氏
株式会社新東通信 執行役員 ソーシャルビジネス
事業本部 本部長
CIRCULAR DESIGN STUDIO.榎本 裕次氏
株式会社新東通信 執行役員
ソーシャルビジネス事業本部 本部長
CIRCULAR DESIGN STUDIO.早稲田大学 大学院経営管理研究科(経営学修士)。新東通信にて新規事業責任者としてメディアとの共同事業等を推進するなど事業プロデュースを行う。2020年9月にサーキュラーエコノミーをテーマにしたカンファレンス「GREEN WORK HAKUBA」を立ち上げ、CEを起点としたスタートアップ支援や地域活性のプロジェクトを推進。白馬に通い続けること20年超。

不二製油MIRACORE®︎ ×
GWHのコラボレーションで、
「本当に美味しくて感動する」
プラントベースの
ラーメンを開発
国内外から様々な方が訪れる白馬村では、食の多様性を大切にしています。
GWHをきっかけに、「満足感のある植物性食品」を研究する不二製油さまのMIRACORE®︎とコラボし、
これまでにないプラントベースラーメンの開発に取り組みました。
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植物性であることを感じさせない、
食べ応えと満足感。開発したのは、「豚骨風ラーメン」「白馬味噌ラーメン」 「山の貝ダシ塩ラーメン」の3種類。いずれも、動物性の素材は使われていないプラントベースフードです。
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山頂に設置したラーメン屋台で、
参加者の皆さんを温めました。はじめてのお披露目となるラーメンを、GWH参加者の皆さんに白馬の自然の中で食べていただきました。 非常に好評で、「一般的なラーメンと比較する必要がないくらい満足」 などうれしいお声をいただきました。

協力:
阿部剛士 料理長(白馬飯店)
白馬飯店の阿部料理長と協業でラーメンを開発。地元の食材を活かした魅力あるトッピング、スープの深みを増すアイデアなど、様々な形でご尽力いただきました。

今回の取り組みは、「Minna no Ramen Project」、略して「みんラー」 として様々な展開をしていく予定です。新しい食の選択肢をみんなの当たり前にするために、白馬村でのプラントベースフードの浸透、さらに他のエリアでの広がりも見据えて、プロジェクトを進めていきます。




Special Thanks
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エシカルスピリッツ株式会社
エシカルジンLASTジンソーダ -
Allbirds
シューズ -
株式会社Cultivera/
株式会社ポモナファーム
トマトとモッツァレラのピンチョス

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自然との距離を近づける
GWH FIELD NOTE
(冒険手帳) -
生分解性生地で制作した
ガーランド -
プラントベースフード
プロジェクト「みんラー」屋台
PROJECT TEAM
白馬村観光局
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福島 洋次郎
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青木 美由紀
CIRCULAR DESIGN STUDIO. / 新東通信
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榎本 裕次
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山下 史哲
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松下 晃平
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祐川 幸子
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竹林 希
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中河 琴音
What is
Circular Economy?
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リニアエコノミー
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リサイクリングエコノミー
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サーキュラーエコノミー
資源を採掘して生産、消費、廃棄するという従来のリニア・エコノミー(直線型経済)や、廃棄物を
どう有効活用するかというリサイクリング・エコノミーとは異なり、そもそも廃棄物がでない仕組みを
つくる経済モデルのこと。経済、社会、環境の3つのバランスを最適化し、持続可能で、人々の
ウェルビーイング(幸せ)を達成する手段として、欧州を中心に世界中で注目を集めています。

白馬村は、
サーキュラー・エコノミーを
推進しています。
2019年12月4日、長野県白馬村では、「気候非常事態宣言」を宣言。
村民全体で気候変動の危機と向き合い、温室効果ガス排出を抑制し、
白馬の自然や、豊かな「雪」を守ることを目指しています。
自然エネルギー由来電力への切替え、プラスチックフリー化、
村民と宿泊客が無料で利用できるカーシェアリングサービスなど、
サーキュラーエコノミーの考えに基づいた具体的な取り組みを村全体で推進しています。